捨てたはずの不安の種が
心を突き破って芽を出した
無数のいばらが今日も
足下伸びて待ち構えている

どこへゆけば会える

抱きしめないで 背中のトゲは 君を傷つけるよ
それでも 溢れる想いが 君を探している

ほんの小さな影に触れて
何もかも終わったかのように

乾いた唇噛んで
言葉は奥深く沈んでゆく

そっと照らしたいよ

抱きしめないで こぼれる声に 君を確かめるよ
ひとりで 震える想いを重ね 響かせよう

どこへゆけば会える

抱きしめないで 背中のトゲは 君を傷つけるよ
それでも 溢れる想いが 君を探している

抱きしめないで 胸の鼓動に 君を乗せてゆこう
諦めないで ちぎれた明日を 取りもどすから

まどろみと冬の午後
くり返される日々も
柳をすべり落ちる
ただ　一度きりの夢

置き去りのぬくもり　光に変わるまで

通い慣れた　ひだまりに
あなたを映します

こぼれる記憶の粒
水面をはじいたなら
雪にとけ　舞い上がり
ふたたび流れ着く

何度もたぐり寄せ　心うるおすけれど

掬いあげる　指先に
冷たく残ります

置き去りのぬくもり　力に変えるまで

通い慣れた　ひだまりに
あなたを映します

頬をなでる　ひだまりに
あなたを思い出す

出し忘れた手紙が　誰かの手届く頃
日傘くるり回した　空には昼の星
指切りした　指を噛み切り
去っていく影を
追いかけては　夜明けに迷い
日暮れにはぐれた

昼の星に
願いを捧ぐなら
いつかの窓
明かり灯してた

蒼い月にやかれた　優しい誰かの夢
千の波を漂い　浜辺に打ち上がる
拾いあげて　ハンケチ包み
ポケットにしまう
決して癒えぬ　顔した傷の
かさぶた剥がれた

昼の星に
願いを捧ぐなら
続く痛み
受け入れる代わり

どうぞ私の　背中に羽根を
この空へ羽ばたける羽根を

上昇する私は空の屋根にぶつかって
落ちていくの　どこまでも
ああ　昼の星　笑う

昼の星に
願いを捧ぐなら
続く涙
抱きしめる代わり
どうぞ誰かよ
私忘れて
別の朝羽ばたける羽根を